JLOPの事業の成果

知的財産推進計画2016が発表され、その報告書の中でJLOP事業の成果が報告されている(本文P36参照)。その成果は素晴らしいもので、利用事業者の2015年度の売上は2012年度として1247億円増加(本文では増加という文言を使っている)。またJLOP…

バタクラン(Bataclan)とクールジャパン

今回のパリの襲撃事件。襲撃されたバタクランはきゃりーぱみゅぱみゅやPerfume 、Scandal、Asian Kun -Fu Generationといった日本のアーティストが数多く公演している場所だ。にもかかわらず、第一報では、そのことに触れた報道があまりなかった。日本のアー…

クールジャパン外伝  SANAAはルーブルランスになぜ選ばれたのか?

前回はザハが設計した南仏の図書館建設が中止になった話を紹介した。 クールジャパン外伝 ハディドとフランス ポーの図書館建設挫折について - COOL JAPANってなんだ 今回はフランスのルーブルランスになぜ日本のSANAAが選ばれたかについて紹介する。 地域振…

クールジャパン外伝 ハディドとフランス ポーの図書館建設挫折について

新国立競技場の問題がなかなか解決しない。いったん白紙に戻ったあと、ハディドが日建建設とタッグを組んで再挑戦をするとも伝えられている。 新国立競技場公募「ザハ・ハディド氏」新計画提案へ 日建設計とチーム - 産経ニュース いったん建設が決まった施…

クールジャパンってどのくらい儲かるんだろう レストラン編

NHKの朝ドラのまれをみてびっくりした。 私はほとんど見ていないので、誤解しているのかもしれないが、ヒロインがケーキ屋を開き、赤字に悩んでいる。損益分岐点(?)が1日8800円くらい。ケーキの単価が400円くらいだったので、1日20個強売れば、黒字なのか…

経済産業省 クールジャパン関連分野における 国別・分野別目標の設定に向けた 基礎調査について その2

引き続きMETIの調査 (というかローランドベルガーなのだが) 改めてみると、日本は「世界のコンテンツの流れ」に乗れなかったのではないかという問題提起をすべきだったんじゃないかと思う (何かしら、日本はいけているということを無理やりいっている感じ…

経済産業省 クールジャパン関連分野における 国別・分野別目標の設定に向けた 基礎調査について

以下が発表されてました http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2015fy/000578.pdf 調査担当はローランドベルガー コンテンツ ファッション 食についてまとめているもの これ非常にまじめにまとめられているのですが、これを読むと、「ファッションって無理…

伊勢丹Bonjour Franceについて

クールジャパン政策というのは日本の製品を海外に広めるための政策だ 自国の製品を海外に広めようという政策は世界各国で行っている 今回は5月に伊勢丹で開催されたBonjour France(フランス展)の出展要件について説明しよう 伊勢丹のフランス点は毎年5月に…

ゴルドラックは超えられない

中国で圧倒的に人気のある日本のコンテンツ(映画)は「君よ憤怒の河を渉れ」、中国人が制作したコンテンツで日本にシンパシーのあるのは「狙った恋の落とし方」というのは書いてきたとおりだが、フランスで圧倒的に人気のあるのは、78年にテレビ公開された…

クールジャパンは「アニメ」だけじゃない

東洋経済ONLINEに掲載された 身勝手な日本人が、日本の国宝をダメにする | Books Review | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト が非常に面白い。 日本は文化財に対する投資が少ないことは知られているが、国宝の修理のデータベース化…

「狙った恋の落とし方」って知ってますか?

やまもといちろうと辻元清美というネット民ならなんとも「香ばしい」対談が先日公開されたのだが 辻元清美女史とリベラルの復権その他で対談をしたんですが、話が噛み合いませんでした(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース そのなかで関心したのは、辻元清美…

日本のイメージは知っているもので作られる―中国人の高倉健のイメージ

すごい長い間ブログをほっぽってしまった。 その間、クールジャパンは進捗したんだろうか? 一つ明らかに進捗したものがある。外国人観光客の増加だ。外国人の観光客が増えているということは、日本に対する関心が高まっているということだろう。 一方、コン…

経済産業省事業を全部みてみた その1

経済産業省の事業15件を全部みてみた。 予算書によると、この事業は1件あたり5000万円平均だという。国の補助事業としては決して小さくない。 ちなみにこの15件、全部読んだ人がいるんだろうか?誤字脱字はもとより、疑義のある数字(11万個や見込みと実績…

経済産業省事業をみる その15 タイにおけるコンテンツ等分野プロジェクト

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/10tmsm.pdf 一読しただけでは、何をやったのかがわからないプロジェクトだ。 どうやら、トヨタ自動車をいろいろなアニメで宣伝したらしい。 本当にわかりにくい説明なのだ。 どうやら物販はな…

経済産業省事業をみる その14 『知られざる日本』 アジアと日本の各地方の"架け橋"事業プロジェクト

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/13brainworks.pdf ベトナムで北海道や徳島など地方の産品を売る事業。 「知られざる日本」というのは、自分のポジションをよくわかっているネーミングだ。しかし、ベトナムというのはまだまだ…

経済産業省事業をみるその13 海外展開支援プロジェクト

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/03tfw.pdf プロジェクトのタイトルとしてあんまりなタイトルだと思う(笑)。 このプロジェクト、中国とサウジアラビアというまったく違う地域の組み合わせなのだ。 あまりに違うので、このよ…

経済産業省事業をみるその12 日本のコンテンツのためのニュー・アジアン・プラットフォーム

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/08newasia.pdf クールジャパンは事業としてコンテンツのみならず、ファッション、食、雑貨を含むものだが、一般の人のイメージではアニメやマンガなどのポップカルチャーを指すだろう。 だか…

経済産業省事業をみる その11 Cool Japan in Indonesia

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/04cjindnesia.pdf これをみるとインドネシアって大変だというのが第一の感想だ。 「参入障壁が高く、ルールが不透明なマーケットである!」というのが楽天の感想で、だからこそG2Gの交渉が必…

経済産業省事業をみるその10 おもてなしによる日本旅館海外展開プロジェクト

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/15kagaya.pdf 「おもてなし」という言葉がオリンピック誘致に使われブームとなったが、その前に出ていたプロジェクト。幹事は旅館の加賀屋。といってもインバウンドではなく、日本旅館を海外…

経済産業省事業をみる その9 日本テーブルアート展

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/12tableart.pdf クールジャパンはポップカルチャーだけではないが、これもその一例。 なんと在日フランス商工会議所が幹事会社。外国の視点をいれるということはとてもよい試みだと思うが、幹…

経済産業省事業をみる その8 中国における地域産品分野

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/14hosoo.pdf 中国の反日運動って、日本製品の購買に本当に影響があったのだろうか?というのも、このプロジェクト、反日運動真っ最中にやっているようだが、その割には結果が悪くないのだ。 …

経済産業省事業をみる その7 上海におけるコンテンツ X 地域情報発信事業 –地域への富裕層インバウンド促進−

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/05china.pdf タイトルをみただけでは何をするのかようわからんプロジェクトである。タイトルの付け方も一つのメッセージなのだから、こんなタイトルのものって、それだけで「だめ」なんじゃな…

経済産業省事業をみる その6 Hello Shibuya with Singaporeプロジェクト

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/01helloshibuya.pdf なんだかHarajuku+と似たプロジェクト名で、実際、こちらもファッション系のイベントでシンガポールで開催された。 これが結果がいいのである。台湾のプロジェクトが目標…

経済産業省事業をみる その5 HARAJUKU+

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/02harajukuplus.pdf 最初に聞きたい。ほかのプロジェクトは共通テンプレートを使っているが、このプロジェクトは独自テンプレートである。独自テンプレートである理由を説明したほうがよい。…

経済産業省事業をみる  その4 日本食産業海外展開システム実証プロジェクト

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/11gurunabi.pdf ぐるなびが主幹会社となり、タイでご当地ぐるめを普及させるプロジェクト。 出展者の中にはパートナーをみつけ、実際に出店の声がけを受けているところもあるようなので、その…

経済産業省事業を見る その3 インド ジャパコン キッズ事業

インドの事業は非常に理想的な事業のたてつけとなっている。 http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/07japacon.pdf 幹事会社はBSフジだが、ポケモンや琉神マブヤー、ハクション大魔王など多彩なアニメをインドの複数の局で放送し、…

経済産業省事業をみる その2 インドネシアの食とコンテンツ

経済産業省プロジェクトの中でも芳しくない成績なのが、インドネシアにおけるコンテンツおよび食と題されたプロジェクトだ。 http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/09ironchef.pdf このプロジェクト、どうもまず参加者を募ることか…

 経済産業省事業をみる その1 ボーカロイドプロジェクト

昨年度のクールジャパン事業の成果が経済産業省のHPで紹介されている。個別事業が発表されている。もくろみと達成率が示されており興味深い。 こうなったらひとつひとつみてやるぞ。 最初は一番成功してそうなボーカロイドプロジェクトから。 http://www.met…

クールジャパンのロールモデル その4 パイロット

クールジャパンの取り扱い品目には雑貨がある。 パイロットは日本を代表する文具メーカーであり、海外販売比率が2/3で、海外比率を伸ばしている優良企業だ。 最近ではブラジルに工場を設立し、新興国市場開拓の足場も整えている。 フリクションという競争力…

クールジャパンのロールモデル その3 ユニ・チャーム

最近、生活用品で目覚しい海外進出に成功しているのがユニ・チャームだ。 2013年3月期では海外売上比率が5割を超えた。 http://www.unicharm.co.jp/ir/library/enterprise/__icsFiles/afieldfile/2013/06/26/unicharm_all.pdf ユニ・チャームの主力製品であ…