経済産業省事業をみる その7 上海におけるコンテンツ X 地域情報発信事業 –地域への富裕層インバウンド促進−
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/05china.pdf
タイトルをみただけでは何をするのかようわからんプロジェクトである。タイトルの付け方も一つのメッセージなのだから、こんなタイトルのものって、それだけで「だめ」なんじゃないだろうか?
しかし、このプロジェクトの企画はクールジャパン政策のコンセプトにあっている。このコンセプトはアニメで観光誘致である。世界で人気の日本アニメを梃子に観光誘致というストーリーは政策そのもの。
で、プロジェクトの結果は、中国の反日運動で十分成果があげられなかったことはさておき、日本のクールジャパン政策そのものが妥当なのか、疑問をなげかけるものであった。
そもそも、フックにしようとしているアニメが非常にマイナーだ。「あの花」、「輪廻」をどのくらいの人がみているのか?
日本ですらあまり知られていないアニメを、日本アニメの流通が限られている中国でどれだけ「梃子」として使えるのか?
むしろこのプロジェクトに参加した中国人の感想のほうが重要だ。興味があるのは、ワンピースやNARUTOやちびまる子ちゃん。
マイナーなアニメでニッチな顧客を獲得するという時点にまだいたっていないのではないか。
富裕層のインバウンドという考えも難しいようだ。イベントにきた人は若く、所得も低め。
日本アニメのよさは「大衆的」なのだから、その大衆性を生かしたものにしたほうがいい。
くりかえしいう。採択されたプロジェクトの中でもこのプロジェクトは一番、クールジャパンの文脈を読んでいる。だからこそ、このプロジェクトを政府当局はしっかり検証すべきだ。