バタクラン(Bataclan)とクールジャパン
今回のパリの襲撃事件。襲撃されたバタクランはきゃりーぱみゅぱみゅやPerfume
、Scandal、Asian Kun -Fu Generationといった日本のアーティストが数多く公演している場所だ。にもかかわらず、第一報では、そのことに触れた報道があまりなかった。日本のアーティストが公演するというのはまだまだ珍しく、各社にも特派員がおり、少し住んでいればBataclanという名前だけでピンときそうなのだが、そうではなかったのだろうか?
第二報あたりから少し報道が出てきた。きゃりーぱみゅぱみゅのツイートは素晴らしかったし、それがきっかけとなったのかもしれない。それでもBataclanと日本人アーティスト、あるいはBataclanという場所がどんなところなのかの分析はあまりない。
日本人アーティストに付き添った裏方さんからも取材できそうなのに、それは少し違うという考えなのだろうか?
Bataclanという場所、収容人数はスタンドアップで1500人と決して大きくない。そのため、大人気アーティストが公演する場所ではない。
知る人ぞ知るというか、メジャーになる一歩手前というかそういうアーティストが公演する場所というイメージだ。外国人の公演も多い。
そして、値段が手ごろで50ユーロ以下、30ユーロ前後のチケットが多い。
全世界的にライブの価格は高騰しており、大会場のメジャーアーティストのチケットは100ユーロは軽く超える。日常的にライブに行くことはなかなか難しい。
それでも、日常的にライブに行きたい層のためにBataclanは最適だったと思う。
9月まではユダヤ人がオーナーだったが、2015年9月にはラガルデールグループに売却されている。ラガルデールはアシェットの出版や放送事業を有しており、フランスのエンタメ産業を牛耳る一角だ。
ル・モンド紙によるとユダヤ人がオーナーだったころは、親イスラエルのイベントも開催されたようだが、それが原因だったのだろうか?
フランス大統領選に立候補するとき、セゴレーヌ・ロワイアルが若者の支持を売るためもあり、ここを決起集会に選んでる。ロワイヤルは現オランド大統領の元妻だが...。
それはさておき、以下に日本人アーティストの公演記録を入れておく。
きゃりーぱみゅぱみゅ 2014年4月25日
Kyary Pamyu Pamyu en concert le 25 avril au Bataclan » Japon Facile
Perfume 2013年7月7日
[7 juillet 2013] Paris / Perfume World Tour 2nd - Forum de Nolife
Miyavi 2015年10月2日
One Ok Rock 2013年10月27日
Fan report : Concert de One Ok Rock au Bataclan, 27 Octobre 2013 - In Time With Asia
Asian Kung Fu Generation 2013年6月2日
Orient-Extrême : le magazine des cultures asiatiques - First French Magazine about Asian Cultures
Scandal 2015年4月25日
Dir EN GREY 2015年5月26日
日本人アーティストの公演の先駆けとなったのはたぶんKokia
Kokia 2007年
そして予定されていたのは
Spyair 2016年
Spyair en concert au Bataclan de Paris en 2016
まだまだ漏れている人はいっぱいいそうだが、これだけ縁の深い箱ということはわかっていただけると思う。
今回の事件に関しアーティストの方は個々に哀悼の意を示されているが、日本の音楽業界として何か哀悼の意とか示されないだろうか。
また、会場が再開するようなことがあったら、そのときに何か表明するとかできないだろうか?