JLOPの事業の成果

知的財産推進計画2016が発表され、その報告書の中でJLOP事業の成果が報告されている(本文P36参照)。その成果は素晴らしいもので、利用事業者の2015年度の売上は2012年度として1247億円増加(本文では増加という文言を使っている)。またJLOP事業と連携した非コンテンツ事業者の海外の売上は648億円増加したという。

 

さらっと書いているが素晴らしい成果だ。特に後半でJLOPと連携した非コンテンツ事業者という回りくどい言い方をしているので、わかりにくい。まるで、JLOP事業での海外売上が1247億円増加したように見える。特に、同じ報告書で「放送コンテンツ関連市場海外売上高が2014年度には143.6億円(対前年度比37.9億円(35.9%))に増加した」とあり、アニメ放送まで含む放送の輸出が143億円(総額だ!)であるにもかかわらず、JLOP事業の利用者の売上は1247億円増加しているのだ。

これは、JLOP事業にそもそも非製造業企業が入っており(JLOPのホームページによるとNECやシャープ、神戸製鋼所などが入っている)おそらくはその非製造業企業の海外売上の数字も入っているためであろう。

そして、あまりに回りくどい書き方をしているため、この数値は信頼性があるものなのか、心配になってしまう。

 

数字を見る限り、成果のある企業もあるのであろう。補助金を申請するくらいだから、そもそも海外進出の成功の確率は決して高くはないはずだ。(成功の確率が高いのであれば、このようなめんどくさい事業の申請はしない)

個々の成果を出すことは難しくとも、利用事業者の2012年度の海外売上額と2015年度の海外売上額を発表するだけでよいのではないだろうか。

もし、あまりに金額が大きい場合、注で製造業の大企業の割合の高さなどをいれればよい。

繰り返しになるが、なぜこのようなまわりくどい言い方になるのだろうか?