クールジャパンのロールモデル その2 ハニーズ
ハニーズは福島県に本店を持つ、レディスアパレルのSPAで中国になんと500店舗以上をもつ。
あのユニクロが200店舗程度というからそのすごさがわかるだろう。
ハニーズは被災地に本店があるということで、8番ラーメンと比べてもメディアの露出が多い。
ただ、そこであまり論じられてないのは、ハニーズの品ぞろえのことだ。
ハニーズは若い女性向けのブランドだが、個性の強いブランドではない。価格も「やや安く」、デザインは「ややかわいい」。
クールジャパン政策の中でのファッションはともすれば「ゴスロリ」、「109」など個性をもったブランドに焦点があたりがちだが、ハニーズを一言でいえば「凡庸」。
8番ラーメンもそうだが、個性の弱さが特徴ともいえる。
これは決してハニーズを貶めるためにいっているのではない。むしろその逆だ。中国の女性のニーズをつかんでいるのがハニーズなのだ。
実際、ハニーズは日本でも地方のショッピングセンターに数多く出店しており、「普通の女性」を最大の顧客としている。
ファッションとしての「物語」を作るには弱いブランドだが、普通の人というのは、そこまでのこだわりをもって服を着るわけではない。
また、中国では、まだまだ、超先端の服装をしていると「悪めだち」をすることもある。
そのような中国の消費者の心をとらえたのが「ハニーズ」だと思う。
世界のファッション市場を席巻しているH&MやZARAもさほどとがったデザインを提供しているわけではない。H&Mなどは失礼ながら「ダサい」部類だろう。
しかし、大半の人間はそこまでおしゃれではなく、かつ、人間は毎日服を着る。そのような人のニーズをとらえたブランドが世界市場ではどうやら強いようなのだ。
ハニーズをクールジャパンとロールモデルとすること、それは日本の「とんがった」ファッション産業については少しつらいかもしれない。